奈良県生駒市国定公園内にある自然豊かな敷地にゆったりと建てられた 住宅での生活をより一層楽しめるよう、既存の住宅に継ぎ足す形で家族や来客が集うための部屋を増築した。 建物の形状や材料は既存の住宅との調和を考慮し、慎重に検討を重ねたうえで決定した。 冬の厳しい寒さをしのぐために部屋の中心付近に設置された薪ストーブは、季節を問わず十二角形の平面形状をした部屋に落ち着きを与える象徴的な存在となっている。 また、外壁に設けられた窓はさまざまな角度に向けられ、敷地内外の自然を室内からも楽しむことを可能にする。 既存部と増築部を繋ぐ間室の天井高は既存の屋根の下に潜り込む必要があるため、2メートルに満たないが、その空間を介することで増築された部屋の天井の高さがより劇的に感じられ、この住宅に非日常な体験をもたらしているように感じられる。 一部屋の増築であるが、この地、この住まいでの生活をより豊かにする変化をもたらすことができれば嬉しく思う。