和歌山県橋本市北側に和泉山脈を望む穏やかな新興住宅地の一画に建つ住宅である。 1階にプライベートルーム+水廻り、2階にLDKを一体で計画。友人が気軽に集まることができる場をつくりたいという建主の想いから、直接2階へアクセス可能な屋外階段を設置し、上部に切妻屋根を架けることで小住宅にはちょっぴり贅沢な軒下空間が生まれた。 生活の中心となる天井高が約4.5mもあるLDKでは、棟に設けたライン状のトップライトにより、空の移ろいを日々感じることができる。光を拡散させるために設置した断熱を兼ねた特注のエアーマット天井材を見上げると、水の中にいるような、なんとも不思議な空間である。 設計を進めていく上で、これから先少しずつ変化していく周辺環境の中で信頼できる、山々の眺望、澄んだ空への開放感、そして風の通り道を大切にしたいと思い、開口部の位置および床レベルを決定していった。さまざまなシーンが混在する中、訪れた人がきっと自分のお気に入りの居場所をみつけることができる、そんな住まいである。(担当:木内菜津子氏)