第二回 シニア・セカンドライフ(レディ-ス住宅)<前半> | 建築家紹介|関西の建築家とこだわりの住宅を|アーキソシエイツ
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「家づくり」対談

第二回 シニア・セカンドライフ(レディ-ス住宅)<前半>

昨今需要の高まりを見せつつあるシニアやレディース向け住宅の新築やリフォーム。時代の流れとともに住宅の在り方も変わっていく中でアーキソシエイツとして提供できる最高のサービスとは何か。建築家を交えてシニア・セカンドライフ(レディ-ス住宅)について対談しました。
前半後半の2回に分けてこの特別対談をお届けします!

 

【対談メンバー】
建築家 北村 陸夫 氏
建築家 坂田 基禎 氏
建築家 中平 勝 氏
アーキソシエイツ 村木 睦弘

 

 

<村木>
(問)シニア住宅・セカンドライフの住宅全般についてお聞きしたいのですが

 

<北村氏>
完全にリタイアした場合のみでなく、子供が独立した後、夫婦がこの先どう生活をしていくのかのご相談が多い。また子育てする住宅とは違った、現在元気だけど先を考えバリアフリーのお風呂、トイレを取り入れたいとの要望が多いです。

 

<坂田氏>
私のところには、一年後にリタイア(定年退職)するのでそれに合わせて定年後を楽しく過ごせる住宅にして欲しいとの依頼が多いです。

 

<北村氏>
確かに将来を見込んで、リタイア(定年退職)前に建てる方が多いですね。

 

<中平氏>
私は先代(親)が亡くなった時に、親が建てた家でなく自分たちの家に一新したいとの話もよく聞きます。

 

<北村氏>
シニア住宅・セカンドライフの住宅のモデルパターンとしては、私が考えてるのは、趣味に生きて最後は出来れば病院ではなく自宅で最期を迎えられるような(終の棲家)を考えています。また、ご近所付き合いも出来、子供の帰省にも対応できるのが良いかと。

 

<中平氏>
すごく共感できるのですが、クライアントがご要望として死に対してまで考えをお話し頂けるケースは少ないですよね。私も話しずらいですし。

 

<坂田氏>
そうですね。その手前までの話でやんわりとが多いです。

 

<村木>
私は色々な先生方の打ち合わせに同席してますので、お話が進めばあと余命何年だから気持ちよく過ごせる住宅に住みたいとのお話を聞くことも結構あります。信頼頂いてお話頂けると思うのですが辛いですね。

 

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<村木>
(問)他にシニア世代からのご要望はどういったものが多いですか?

 

<坂田氏>
我々に求められるのは、お客様が本当に何を求めているのか租借するのが仕事だと思う。だから単純に部屋の数や広さの話にはならない。それこそ何回もお会いして初めてわかってくることも多いです。

 

<北村氏>
話し合い、打ち合わせを重ねて本当に望んでいることが見えてきたりしますね。施主もどう伝えたらよいかわからないこともあると思う。

 

<中平氏>
私も何回も何回も打ち合わせしますね。それで方向性もみえてくる。

 

<坂田氏>
話し合いを通じて、シニアの方は終の棲家として、やはり趣味、趣向が大きくご要望として出てきますね。

 

<中平氏>
私は、以前はご夫婦の先のことまで考えて設計するケースが多かったのですが、最近はクライアントのほとんどが先のことなんか考えてくれなくても今自分たちが気持ちよく住める住宅にしてほしいというご要望です。
(本当の先のことは子供が考えてくれたらよい、今から10年~20年をどうあるべきか考えてくれたらよいとのことです)

 

<北村氏>
現在の住宅への考え方は、団塊世代から持ち家になりその後ほぼ核家族化した社会のありかたが大きく影響してると思う。

 

<中平氏>
そうですね。家を引き継ぐ文化がなくなってきているということでしょう。

 

<坂田氏>
私自身が同じ年代なのでよくわかるのですが、自分たち夫婦は趣味、趣向の住宅に住みたい、子供は自分たちで考えるだろうと思ってます。ただ、人それぞれここは譲れないという要望はあると思います。ある意味妥協のないご要望が出てきますね。

 

<中平氏>
デザインにこだわるのではなく、やはりライフスタイルのご要望が多いですね。ご夫婦でお酒をゆっくり飲むとか、車が趣味とか、庭が趣味とかの提案を望まれてて、その他はお任せしますとのこと。

 

<北村氏>
私も60代のご夫婦で普段は夫婦二人だが、家族が集まった時に皆で料理できる様にとのことでマンションリフォームをしたこともありますね。あとは要望なかったですね。

 

<中平氏>
若い世代の方とは家に対する考え方が違い、ゆったりとした余裕みたいなものが感じられますね。世代も近いし、設計してても楽しいですね。

 

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<村木>
(問)現在の持ち家を建替えるべきか、リフォームするべきかのご相談も多いですが。

 

<北村氏>
つい最近建築したのは、長屋にお住まいの方だったのですが、新築すると法律的にどうしても面積が小さくなり物理的に無理だったので、耐震補強してリフォームしましたね。

 

<坂田氏>
一概にはどちらが良いとは言えないので、ご要望をお聞きして現地を見てからの判断になりますね。

 

<北村氏>
昔の記憶の中で住みたいとのことでリフォームを選ばれる方もいますね。

 

<坂田氏>
住環境全体で考えると住み慣れた町から離れてまで住み替えるという方は逆に少ないと思います。

 

<中平氏>
法的な問題と、資金の問題も大きく関わってきます。また現在の家の状態で新築より費用がかかるケースもありますし。

 

<坂田氏>
答えはケースバイケースとしか言えないですね。

 

<北村氏>
そう、だから建築家はいいアドバイスをして建替えするのか、リフォームするのか施主が判断できるようにしてあげるのが役目ですね。

 

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――― 後半へ続く。