第二回 シニア・セカンドライフ(レディ-ス住宅)<後半> | 建築家紹介|関西の建築家とこだわりの住宅を|アーキソシエイツ
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「家づくり」対談

第二回 シニア・セカンドライフ(レディ-ス住宅)<後半>

昨今需要の高まりを見せつつあるシニアやレディース向け住宅の新築やリフォーム。時代の流れとともに住宅の在り方も変わっていく中でアーキソシエイツとして提供できる最高のサービスとは何か。建築家を交えてシニア・セカンドライフ(レディ-ス住宅)について対談しました。

 

【対談メンバー】
建築家 北村 陸夫 氏
建築家 坂田 基禎 氏
建築家 中平 勝 氏
アーキソシエイツ 村木 睦弘

 

 

<村木>
(問)バリアフリーとエコについてはどうでしょう。

 

<中平氏>
何がなんでもバリアフリーでなくてもよいと私は考えてますが。特に街中では道路と玄関の段差解消が難しいですね。それの距離が必要になりますから。広い敷地では問題ないのですが。

 

<北村氏>
実は介護施設等も設計してますが、道路から玄関までのアプローチをスロープにすると介護者が付いてればよいが、自分で車いすを運転する場合は滑って逆に危ない場合もありますよ。

 

<坂田氏>
根拠もなく将来車いすになるかもとそれに対応した設計をすると、現在が住みにくくなる可能性もありますよね。

 

<北村氏>
私は家の中すべて車いす対応でなくてもよいと考えてます。お風呂、トイレ等行動範囲を考えればよいと。

 

<中平氏>
障害をお持ちの方の住宅設計については、現在そうであれば間違いなく対応できますが、将来そうなったら不安だからでは結構無理がありますね。現在健康であれば家の中をフラットにするだけで十分ではないでしょうか。

 

<北村氏>
廊下幅と扉の開き方は気をつけますね。

 

<坂田氏>
私もトイレ、お風呂には気を付けますね。

 

<中平氏>
基本はドアではなく、引き戸ですね。

 

<北村氏>
他には温度バリアですね。ヒートショックに気をつけること、家の中の温度差を無くすことが重要で予算が合うなら高気密、高断熱にすべきですね。

 

<坂田氏>
断熱は本当に重要。古い家は断熱材も入ってないケースも多いからリフォームするときには断熱材もキチンと入れないと表面だけ綺麗にしても意味がないです。

 

<中平氏>
そうですよね。私も断熱材にはこだわってますね。

 

<北村氏>
あと、近年太陽光システムを採用してゼロエネルギーの考え方も推奨してるけど、少なくとも夫婦二人で生活するエネルギー量を考えると必要ない。

 

<中平氏>
そうですよね。システムにかかった費用回収するのに10年~20年かかりますし。

 

<坂田氏>
ご相談はよくありますが、費用対効果の面で採用されないケースが多い。

 

<北村氏>
我々の立場からいうと、省エネ、エコとデザインの整合性がこれからの課題では。

 

<中平氏>
環境に対するシステムや材料とデザインがマッチしてないですよね。我々は意匠設計ですが、専門の設備設計の方がもっと頑張らないと、、、。現在は経験から、風の通り方や光の取り入れ方をご提案してますが、将来それも数値化される時代がくるかもしれない。

 

<北村氏>
数値化については、断熱については2020年に法律で数値化されるよね。

 

<坂田氏>
その法律に従ったうえで、デザインも考えなくてはいけない。もちろんそれが我々の仕事ではあるが。

 

<中平氏>
2020年の法改正で、やはり我々が環境や社会に対しても考えていかないといけない。

 

<北村氏>
住宅レベルではお客様が環境やエネルギー問題を考えて家を建てるわけではないので。建築家と名乗っている以上、設計の世界全体で考えていく問題であると思う。

 

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<村木>
(問)家相についてはどう思われますか?

 

<坂田氏>
私は京都での仕事が多いのですが、家相のご要望がでることは多いですね。ずっと家相のお話を頂くので、昔からの基本的な部分は私自身で見れるようになりましたね。

 

<北村氏>
家相の先生によっても意見が違うので判断が難しい。家相の先生と先に打ち合わせしたこともあります。

 

<坂田氏>
家相の件については、一番初めに言ってほしいです。出来るだけ私からも聞くようにしますが。ご提案するプランがまるで違ってくるケースもありますから。

 

<中平氏>
私は以前にレーサーの方の住宅を設計したんですが、勝負事なので大変気にされてまして、家相の本一冊渡されその通りにしてほしいとのお話でした。家相では基本空気がよどんでるのがよくないので、設計で風通しがよくなるようご提案しますね。

 

<北村氏>
私は、所謂表鬼門、裏鬼門を外してくださいとの話は多いです。家相をかなり気にされる場合は、間取りに制限がでるので、それをご理解頂いたうえで家相の先生もアドバイス頂けたらと思います。

 

<坂田氏>
京都では普通によくあるお話なので、私から京都の有名な家相の先生を紹介したりもしてますよ。

 

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<村木>
(問)最近、女性お一人でお住まいの方のご依頼が増えてるのですが、先生方はどうですか

 

<坂田氏>
昔に当時80歳の女性の方の新築をしたことがあります。子供時代、お寺で育ったので、住宅もお寺のようなつくりにしてほしいとのことで。

 

<北村氏>
お一人だと、人のことを考えずに自分だけの為に建てられるのでそれもいいですよね。

 

<中平氏>
女性お一人だと一番気にされるのはやはりセキュリテイーですね。セキュリテイ対策もしますが、住宅が守られてる感じにしてほしいとのご要望はありましたね。あとはやはりプライバシーの確保です。

 

<村木>
弊社のご依頼の中でもやはりプライバシーの確保が重要度高いですね。住宅は明るく光が入った方がよいが、窓の位置とかも考えなくてはいけないですね。外からの視線は通らない位置で明るくするとか。

 

<坂田氏>
京都は女性の方はお元気なので、京町屋でもご主人が亡くなられてから全面リフォームされる方も結構いらっしゃいます。また、一人住まいだから可能な設計もありますし。

 

<村木>
今年完成した住宅では、70代の女性の方お一人住まいで完全にワンルーム化しました。ホテルのような部屋にしてほしいとのことで築40年の木造リフォームだったのですが。

 

<村木>
(問)最後に近年住宅を建築家に依頼するケースが増えてますが、どう思われますか。

 

<北村氏>
私が若いころは、建築家事務所が住宅を設計することなんて殆どなかった。商業施設やビルを設計するのが当たり前でした。

 

<坂田氏>
私も若いころはそうですね。私は医院や店舗ビルがメインで、ここ10年~20年の間に住宅の仕事が急激に増えましたね。

 

<中平氏>
20年というと住宅の構造も随分と変わりましたよね。法的な改正が繰り返されたのですが。確かに増えているのは事実です。

 

<村木>
昔はすごい高級住宅のみ建築家が設計してるイメージが強かったですが、最近はそうでもないですよね。ただ、建築家に依頼するなら何か住宅にこだわりをもってほしいですね。デザインでも構わない、ライフスタイルでも構わない、ハウスメーカーでは出来ない空間でも構わないので。

 

<三人>
シニア住宅にしろ、レデイース住宅にしろ、一般のご家庭にしろ、その人、その家族に合った住宅をご提案出来るのが我々建築家ですからね。まずはご相談してみてほしいですよね。

 

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